肝臓腫瘍破裂による緊急手術、腫瘍は「血管肉腫」でした。
2025.2.26 Wed.

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琥大朗が肝臓の腫瘍破裂で緊急手術を受けました。
検査の結果、腫瘍は「血管肉腫」というものでした。血管肉腫は【血管の内側を覆っている細胞がガン化してできる、とても悪性度の高い腫瘍】です。脾臓や肝臓、心臓など、血管がたくさん集まる臓器に発生しやすく、腫瘍そのものが血管の塊のような構造をしているため、破裂すると一気に大量出血を起こす危険があります。そのため、元気でいたとしても突然死の原因になることもある病気です。
この病気は大型犬に多く、とくにゴールデン・レトリーバーやジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリーバーなどが好発犬種として知られています。発症年齢は8歳以上の中高齢犬が多いと言われますが、どの犬種にも起こり得るそうです。
またとても予後が悪い腫瘍で【手術だけでの平均的な生存期間は1〜3か月程度】とされており、【手術後に抗がん剤治療を組み合わせて、6〜12か月の延命が期待できる】そうです。ただし、腫瘍の場所や大きさ、転移の有無によってもそのさきの経過は大きく変わります。
琥大朗は柴犬で6歳で発症。正確な疫学研究はないものの、複数の獣医師の臨床経験をもとにした推定では柴犬の生涯発症確率は 0.2~1% 程度(=1,000頭に2~10頭程度。高齢になるほどリスク上昇)ともいわれています。
ポイント ------------------
■ 犬全体での血管肉腫の発症率
・犬の全腫瘍の中で2~3%程度が血管肉腫。
・高齢犬(8歳以上)に多い。
・とくに多くみられるのは、ゴールデン・レトリバー(好発犬種、約1割が発症するとの報告も)、ジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバーなど。
■ 柴犬における血管肉腫の発症傾向
柴犬は「中リスク犬種」に位置づけられる
・ゴールデンなどに比べると低頻度。
・しかし柴犬でも10歳以上での発症例が報告されており、決して稀ではない。
・実際の臨床では、脾臓・皮下・心臓型の血管肉腫が報告されている。
■ 補足:柴犬でよく見られる発症部位
・脾臓:破裂による急な虚脱、出血ショックで発見されるケースが多い。
・皮下:しこりが急に大きくなる、破裂して出血するなど。
・心臓(右心房):心膜水貯留や虚脱症状が初発。
このあと、実際に琥大朗の身に起きた症状や手術・術後までの流れをまとめていきます。
朝~お昼 いつもと変りない朝
休日の朝、いつもどおり元気ルンルンでご近所を散歩♪元気に走り回っていつもどおりの琥大朗でした。
散歩後も自宅ですこし遅めの朝ごはんを食べ、いつも通りにゆったりと過ごしていました。
いつも通りの朝、楽しい散歩♪





様態おかしく、近くの動物病院へ!
突然表情が乏しくなり、しっぽが下がり、動かなくなる(というより、動けない様子)。しばらくして伏せの体制になるも、スローペースでなんだかとてもおかしい。
「まさか、前回の病気が再発?乳び、もしくは胸水が溜まっているのかもしれない…」
そう思って午後の診療開始と同時に、近所の動物病院に駆け込みました。しかしレントゲンを撮っても特に水が溜まっている様子はなく「貧血状態ではある」との診断で、一旦様子を見ることになりました。
病院から出ると本人は何もなかったかのように歩いて帰宅したので「何だったんだろう…」となりました。
動物病院 閉院まじかの時間に再急変!
今度は脱力して全身に力が入らない様子で伏せ状態になり、一度は頭部が支えきれない様子で床にごつんと倒れました。自力で体勢を立て直すものの、駆け寄ったときにはそのまま失禁。
すぐさまお昼に診てもらった病院をふたたび受診。
検査:心電図(特変なし)
処置:輸液(ビタミンB群、アミノ酸)とステロイド
血圧が落ちていて貧血気味かもしれないとのことでしたが原因の特定にはならず、ふたたび様子見となりました。(19:00閉院なのでギリギリ診てもらえて良かった)
獣医師に伝えるために撮影


深夜~朝にかけて
病院からの帰宅後は、全身に力が入らない虚脱状態で横になり、そのまま動けない状態が続きました。そのためやわらかい布などを重ねてその上に寝てもらい、ときどき水をあげたりさすりながら、横に布団を敷きずっとそばにいました。
深夜になるとゆっくりと起き上がることもありましたが、数歩歩くとふらふらと床に伏せし、そのまま脱力してふたたび横たわり倒れ込んでしまいました。
その後も横になったまま動けない状態が続き、徐々に上半身はやや動かせるようになり、ときどき自力でゆっくりと体位を変えられるようになりました。
一晩中、インターネットやチャットGPTで検索しました。この時点では症状と撮影した動画から「脳梗塞」の疑いもあるかもしれない、と素人考えで思っていました。
お世話になっている大きな病院へ電話
たまたまこの日は夕方まで先生の時間が空かず、系列の病院を紹介してもらいました。症状を説明しても「早くて15:30の予約です」と午後の受診になりました。
昨日からの様態をみていてもとても不安だけど、予約時間まではどうすることもできない…。
様態が少し落ち着く?
体位を変えようと動こうとすると自力で起き上がり、少し歩き、伏せ状態に落ち着く。
そのタイミングで伏せ状態のまま水を差し出すと水分摂取。
その後、伏せのまま眠りにつく。
食欲は一切なく、大好きなおやつも拒否。
その後、自力歩行、排尿。(中量)
この段階で少し回復している?
獣医師に伝えるために撮影
紹介いただいた病院で受診
急だったのに予約出来て診てもらえて安心していたのは束の間でした。
系列の病院でカルテの共有はあったが初診なので、過去の病気内容と現在の症状を説明。
病気のわんこを診る前に、ひたすらPCに状況の入力…。
問診後は触診などなく、食欲がないことから「チュールを上げてみてもいいですか?」と…。
琥大朗の顔の前に手を差し伸べるときに、いきなり上から頭を触ろうとしたので、琥大朗は警戒。
そして「どんな検査を進めましょうか?」という質問されたので、「必要な検査を!」と思ったが、ここまでの流れで信用が出来なかったのと、もうすでに夕方だったので、いつもお世話になっている先生の都合が良い時間になったので、一旦ここでの検査を止めました。
(この獣医師については色々と思うことはありましたが、ここでは心に閉まっておきます。)
いつもお世話になっている獣医師で受診
なんとか予約でき、すぐに診てもらえることに。
診察室に入って症状を説明して、すぐに触診。
診察台でぎりぎりに立たせたり、前足の甲を床側にして元の正常な状態に戻るかなどチェックしてもらい、神経系に異常はないとのこと。
その後、血液・レントゲン・CT検査などの結果から、どうやら肝臓から出血している模様で、緊急手術が必要とのことで、検討の猶予はないとのこと。
もうすでに夕方なのに、すぐに手術してくれるとのことでお願いしました。
手術後にご連絡をいただくことになり、帰宅。
無事に手術完了のご報告
先生からお電話いただき、手術は成功して麻酔から目が覚めたとのこと。
ただ開腹して肝臓をみたところ、肝臓のひとつの葉から穴が空いて、そこから飛び出して血液が固まっている感じで、先生の経験では今までに見たことのない様子らしい。
とりあえず手術成功してよかった。
退院の予定は経過を見ながらご連絡となりますとのこと。
手術したのが水曜日だったので、土日挟んで月曜日くらいかな…。
2日後 突然の病院からの電話
前回の手術後と同様にあまりにも元気なのと、検査の数値的に問題ないとのことから、退院の相談の連絡をいただき、夕方迎えにいく。
術後、こんなに退院が早いわんこも珍しいらしい。
さすが琥大朗!
ただいま!

2週間後 抜糸と健診…そして血管肉腫との診断
退院後みるみる元気になり、散歩も特段問題なく出来てて、一見いつもの日常が戻ってきているように思っていました。
抜糸で病院へ行き、先日の取り除いた肝臓の病理組織検査の報告結果から、「血管肉腫」が原因だったとのこと。
初めて聞く内容と悪性腫瘍の癌で動揺隠せず…。
このまま、今後の治療方針の話になる。
血管肉腫はきわめて予後が悪い腫瘍で、肝臓自体はしっかりとマージンをとって切除しているので今現在腫瘍は取り除かれているが、今回肝臓で腫瘍が破裂していることもあり、どこに転移していてもおかしくない状況。
肝臓でのデータが少なく、脾臓原発のデータでは、生存期間中央値が19-86日、抗がん剤治療しても172日~274日。
抗がん剤治療をしても数年延命出来るわけではなく、長くて9か月で年内…。
もう頭の中が真っ白でした。
この時の知識量では、抗がん剤治療は、嘔吐や虚脱感、体調の悪化で、楽しい時間が失って、そのままお別れになるよりは、治療せずに濃厚な楽しい時間を過ごしたいとも思いました。
内科の獣医師ともよくよく話し、症状の重さ・軽さは個体差があるとのことで、治療を開始してみてやめても良いし、継続しても良いということから、まずは1回目やってみることにしました。





